湿度管理が必要な理由
湿度不足はさまざまなトラブルを招く
健康的な生活を送るために
体温調節機能が衰えている高齢者には温度管理が重要だとお伝えしました。ですが、温度管理だけでは不十分です。健康や住居の質を維持するには、毎日の湿度管理にも気をつけなければなりません。
湿度とは空気中に水蒸気の形で含まれている水の量を比率で表したもので、簡単にいってしまえば、「空気の湿り具合」のことです。指標はいくつかありますが、一般的に使用されているのは相対湿度です。相対湿度40%~60%が健康に過ごせる適切な湿度だとされています。
どんな影響があるのか
相対湿度は気温によって変動します。室温が高くなれば湿度は低くなり、例えば外の気温が4.7℃で湿度が53%の場合、室温を20℃にすると湿度は19%まで低下します。冬は暖房をつけるので相対湿度が低下しがちです。そうなると空気が乾燥してしまうため、鼻やのどなどの呼吸器系の粘膜を傷めてしまい、風邪をひきやすくなります。また、アレルギー性の喘息や皮膚炎などがある場合は症状が悪化することもあります。
また、空気が乾燥していると体からの水分蒸散量も増えます。暖房をつけていても体感温度が低くなるため寒いと感じてしまいますが、湿度が適切だと室温が20℃でも暖かく感じるため省エネにもなります。
病原体にも大きな影響を与える
風邪のウィルスが繁殖しやすいのは湿度が20%以下、ダニが繁殖しやすいのは60%~80%といわれています。そのため、住環境の面からみるとあまり高い湿度は好ましくありません。ですが、重症化しやすいインフルエンザは湿度を50%以上に保つとウィルスが激減するともいわれています。それらを考慮すると理想的なのは50%~60%あたりでしょう。
湿度不足が引き起こすトラブル
このように、湿度が不足するとさまざまなトラブルが起こります。トラブルは健康や快適性に限らず、生産効率や品質にも悪影響を及ぼすので注意しましょう。湿度不足によって起こるトラブルについて詳しくまとめているサイトを紹介するので、そちらも確認してみてください。
湿度を快適に保つために
最も重要なのは「換気」です。窓を開けたり、換気扇をまわしたりしましょう。雨が降ると室内の方が、湿度が高くなるため、高くなり過ぎないように窓を開けて湿度を下げるようにします。
また、加湿器や除湿器などの機器を使って湿度を調整する方法もあります。湿度が高くなりがちな梅雨の時期は除湿器、空気が乾燥しやすい冬は加湿器、というように使い分けるといいでしょう。さらに、湿度が低い時期は洗濯物を室内に干したり、水を張った容器を室内に置いたりして湿度を調整する方法もあります。
高齢者が心地よい環境をつくるために
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ポイントは温度・湿度・明るさ
高齢になると体温調節機能や適応能力が衰えるため、季節に合わせて温度や湿度を調整する必要があります。目安となる数字を季節ごとに紹介するので参考にしてみてください。
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